About - カンタルとは
マッシフサントラルと呼ばれるフランス中央の山々の一つである「カンタル山」から名付けられたチーズ。
伝統的なカンタルはとても大きく35〜45kg、その厚みは40cmにもなります。最近では”Cantalet(カンタレット)”と呼ばれるミニサイズ、10kg程度のものも登場しています。
熟成によって呼び方が変わるのがカンタルの特徴。3種の食べ比べ、なんていうのも面白いですね。
- Jeune(若いという意味):1〜2ヶ月の熟成のもの。まだ乳酸ぽい酸味が少し残ると共に、バニラやナッツのような味わいが感じられます。皮は灰色と白が混じり合った色味。チーズ自体はアイボリー色で柔軟性がある食感。
- Entre deux(二つの間、という意味):3〜6ヶ月の熟成のもの。バターやクリームのようなアロマが香り高くなり、より主張のある味わいに。チーズの皮の表面が金色がかかってきます。内部の黄色味が強くなり、とろけるような質感に。
- Vieux(古いという意味):6ヶ月以上の熟成のもの。ここまでくると胡椒や香辛料のような強い香りを放ち、少し動物や野生感を感じる香りに。表面の皮はより厚みが出てきて茶色いまだら模様が点在するような色味に。熟成が進んだチーズは、もろくくだけやすい食感へと変わっていきます。
Journey - カンタルの歴史と背景
フランスで最も古いチーズと言われているカンタルチーズ。
その歴史はとても古く、なんとローマ時代まで遡ります。ローマ帝国で活躍した政治家、ガイウス・プリニウス・セクンドゥスがその書物の中で、「ローマ人に最も愛されているチーズ」として紹介したのがカンタルの元となるチーズでした。
時は流れ、カンタルは山間部で増産されるようになります。春から秋にかけてミルクを大量に搾乳することで、非常に大きなカンタルチーズを作ることが可能になります。山の中に石で作られたチーズ生産所兼住居で、夏の間職人たちはチーズをせっせと生産。冬がくる前に、放牧されていた牛たち、チーズ職人や農家の人々は山を降り、谷に移り住みます。ここのマーケットでチーズを売ることで、多くの人々の冬の食料を提供すると共に、フランス南部の人々と商品を交換するのに使用されたのがカンタルでした。
Comment conserver?- カンタル・オントレ・ドゥーの保存方法
乾燥を防ぐために、元々チーズが包まれていたペーパー、またはアルミホイルで包み、冷蔵保存してください。
Taste & Marriage - 味、組み合わせ方、レシピ
ワインに合わせるなら同じオーヴェルニュ-ローヌ-アルプ地方の白ワインや、赤ワインであればガメイもおすすめ。熟成が進んだカンタルの場合はコクがあり、スパイシーさがある赤ワインにもよく合います。ビールなら琥珀がかかったアンバービールを合わせても。
カンタルはサラダからグラタンまで比較的何にでも合い、料理の使い勝手も良いです。オススメは薄くスライスしたポテトとベーコンをフライパンで炒め、その上にチーズをかけて絡めていただく「Truffade」と呼ばれる山の料理です。
レシピ
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