生産者情報
スペイン人にとっても無名なラ・ノウ・デ・ガイア村。
海から4km、背後は山。異常気象で各地が40度を越えた2019年でも30度ほどまでしか上がらなかった場所でワインを造っています。
純度が極めて高い石灰岩のパウダー砂が特徴の白い畑。この畑で作られるブドウを使うと、旨味、深みの凝縮が極めて上品に進み、そこにミネラルが絶妙なハーモニーを生み出し、この蔵ならではの味になります。
蔵元名(セイメル・ノウ・メス)の由来は、村名ノウ=9と、常に進化したいモイセスの「さらにプラスへ!」という気持ちから+を使用しています。
2010年から父の後を継いで徹底的に畑をBIO化。
モイセス自身は、以前から自然醸造家として活躍しており、テロワールの違いによってぶどうの凄みが躍り出るワイン造りを熟知しています。
それでも蔵元を継いですぐは苦戦し、カタルーニャ中のナチュラルワインやオリーブ、その他食材を集めたお店を経営して食べていました。
このお店には今でも地元村民が量り売りでオリーブオイル、ワイン 、ヴェルモットを買いに来るそうです。
醸造方法にも特徴が。重力を使って醸造するため、プレス機はありません。ぶどうの重さだけで流れ来るフリーランだけで醸します。
全て除梗し、破砕はせず粒は潰さない、いわゆるフランス語で言うところのgrains entiers non écrasésという方法です。
タンクに入れた後、下の部分が重力で潰れて発酵が始まります。
SO2も人工酵母もまったく使わない畑の元気良いぶどうで初めにスターターを造り、自然酵母を育ててから発酵を始めます。
樽は使わず、スモイのみアンフォラを使用しています。
スモイは楕円形の粒のユニークな地元ぶどう。元々熟しにくく、カタルーニャ地方の様々なところで栽培されてきた量産用の多産品種。タンニンが粗く酸がきついため、生産数はだんだん減っていきました。しかし、モイセスの畑では、エレガントなスモイが熟します!
モイセスはスパークリングワイン醸造でも、瓶内での2次発酵は同じ畑のジュースを加えるだけ。リキュールは入れないブリュット・ナチュール。 だから正真正銘、ナチュラルなぶどうだけが原料です。
個性のあるナチュラルワインなのに、多くの人が楽しめるお手軽価格で提供してくれるモイセスは、無名の小さな村からスーパーナチュラルを貫いています。
モイセスという名前はモーゼのカタルーニャ語なのだとか。意思の強さとは裏腹に、優しい目に包容力を感じます。
ワインについて・味わい
スモイに出やすい青さやタンニンを抽出し過ぎないようにしたのが特徴。
酸のあるアンズやイチゴといったフルーツ感、ハーブ系のフレッシュな香りに、地中海らしい芯の強さとエレガンスも備わる明るいワインです。
ペアリング
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