About - カマンベールとは
カマンベールはフランスの北西、イギリスとの国境近くにあるノルマンディー地方で作らる、最も有名なチーズと言っても過言ではないほど世に知れ渡ったチーズです。
カマンベールと名乗るにはこの地方でしか作ることができない、その徹底ぶりは、牛乳にも。ノルマンディー牛というこの地方特有の品種を使用して作られます。このタイプの牛は、目の周りにメガネの様なこげ茶や黒の模様があり、可愛らしい顔をしています。
今でこそ白いチーズというイメージがありますが、昔はブルーグレーやグリーングレーのような色をしていました。ペニシリウム系のカビを添付するという技術を使うことで、白いチーズとなりました。熟成が進むと赤みを帯びた線が見えることもあります。
Journey - カマンベールの歴史と背景
カマンベールが文書に登場した記録は1700年代後半まで遡ります。作家が「月曜になると市場にカマンベールという美味しいチーズが並ぶ!」と書かれた文献も残っているのだとか。当初はノルマンディー地方の村々で作られる、数え切れないほどあるチーズの一つに過ぎませんでした。一躍有名になったのは1867年、パリとノルマンディーを結ぶ鉄道が開通したことがきっかけ。その後、リデルという技師が、輸送や保存に便利な木箱を考案したことで、フランスの他の地域への輸送を可能にしました。今でもカマンベールは必ずこの木箱に入って売られています。また第一次世界大戦中には毎月100万個以上のカマンベールが兵隊さんに届けられたというから驚きです。
Taste & Marriage - 味、組み合わせ方、レシピ
カマンベールはまるで羽毛やビロードのようなやわらかい表面に覆われています。ミルキーさや酸っぱ味と共に腐食臭やキノコような香りも。熟成が進めば進むほど、動物っぽいニュアンスの香りが増していきます。
意外に思われるかもしれませんが、カマンベールにはタンニンの強い赤ワインはクリーミーさを損なってしまうため、あまりおすすめできません。赤を合わせるならガメーなど軽やかなワインを。ワイン以外であれば同じ地方で作られている、リンゴのお酒シードルやアロマが香るアンバービールとの相性も抜群です。